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活動報告

これからの教育探究会議
「今の教育、これでいいのか? 〜中高生たちが審判を下す!〜」

2025年2月16日(日)@東京大学安田講堂

「何が起こるかわからない旅に出る」――そんなワクワクする学びの場がLEARN with Porscheのプログラムです。決められた正解も、与えられる目標もありません。
だからこそ、自分で考え、自分の方法で楽しみ、活用していくのです。

2月16日、私たちは東京大学の安田講堂でシンポジウムを開催しました。
前半は「LEARNの教育を中高生はどう審判するのか?」と題して、裁判形式でユーモアたっぷりにプログラムが紹介され、参加したプログラムスカラーのリアルな思いが語られました。最後に、会場の皆さんに「この教育に価値があったか?」を問いかけると、多くの人が「価値あり!」と答えてくれました。とても嬉しいけれど、価値があってもなくても、それは個々が考え、活用し、楽しむもの。 それこそが、このプログラムで分かち合いたいマインドです。
後半は「大人たちは若者に何を望むのか?」をテーマに、音楽や料理、ビジネス、研究など異分野のリーダーたちが対談。「いい音楽を作ろうとするといい音楽にならない。いい子を育てようとすると、いい子にならない?」――そんな深くてユニークな話に、中高生も大人も夢中になりました。好きなことを続けている大人たちの議論が印象的でした。

シンポジウムの写真とともに、参加者からの感想を抜粋して、以下に報告いたします

シンポジウムの様子

— 参加者から寄せられた感想 —

※一部抜粋して掲載しています。

<プログラムスカラー>

東大の安田講堂という場で登壇し言葉を伝えることができて、自分の思いの清算が一段落ついた気がしてます。とても良い経験でした。撤退中、四期生の方で私のスピーチが良かったと伝えてくれたスカラーがいてとても嬉しかったのですが、個人的には私のスピーチにだれも「良かった」と思わない社会になったらもっといい社会になるんじゃないかと思いながら、LEARNのこれからの活動に期待しています。対談で松任谷さんの学生たちのスピーチへのコメントを聞いてやっぱりドキッとしました。対談全体を通して見栄を張らない雰囲気であったり、特別いい音楽を目指そうとしないわざとらしさのない考え方などが面白いなぁと思い、今後の自分の中での課題としてゆっくりと考えてみたいです。(大学生 京都府)

今回は登壇者として教育探求会議に参加しました。原稿をもらったときにはまさか裁判の形で驚きました。第2セッションでは様々な方面のエキスパートの方々のお話を聞くことができました。みんなやっている時とは全然違うのに、共通点があったことに驚きました。いい物を作ろうとすると作れないこと、レールを外れて好きを追って行くことの楽しさのお話が印象的でした。また他の代のラーンの子とも交流できて良かったです。 (中学生  東京都)

Learn with Porsche についての思いを消化させることができてよかったです。ふと思い出すたびにあれは結局なんだったのだろう、どういう学びをすれば正解だったのだろうか、私に投資されたお金に価値はあったのだろうかと思い悩んでいました。今日で私の学んだことは他の同期とは違ったものだったことがわかりました。みんな同じものを見て感じたものは違っただろうし、感じてほしい意図はあっても特に正解は用意されていなかったのだなと思いました。最近進路に向き合わなければならなくなっている私にとって対談の内容は参考になりました。すきなものをみつけて他人から見ての幸せばかりを追い求めてしまわないように気をつけたいです。(高校生 京都府)

<シンポジウム参加者>

今回のシンポジウムを通して、一学生として今後の教育について考えさせられました。専門の道を突き進んできたプロの方々のパネルディスカッションで、失敗がないと成功は得られないと言うことをおっしゃっていて、自分の生きたい道を歩む勇気となりました。また、自分の好きなことややりたいことをできる環境作りが大切で、その上で自分で努力を絶えずすることがいわゆる「成功」の秘訣なのだとわかりました。裁判スタイルでの協議で、最後まで楽しく学ぶことができました。(高校生 東京都)

今回のシンポジウムではLEARNの理念にとても深い関心を抱きました。自分達が参加したLEARN、また自分が参加していない過去のLEARNの開催へ踏み切った中邑先生の信念がとても興味深かったです。中邑先生は今の子供達は親や周りが敷いたレールの上で生活することで自分達で考えて行動して失敗すること、その失敗から成功する道があることを知らない、学校でも教えてくれるわけではない、じゃあ自分たちで教えよう、そのような中邑先生の理念を知った上での参加したLEARNの内容を振り返ると、当時では理不尽だと思った内容でさえもその内側は理念の筋を通し、その筋の通った内容に沿ったものと気づきました。また、中邑先生をはじめ、同じ理念を抱く各ジャンルごとの方々のお話を聞き、なぜ今の方々があるのか、そこにたどり着くまでにあった出来事などといった興味深いことを知りました。じゃあ上記を踏まえて自分はこれからどのように考えて生きていくか。自分自身の力で周りが敷いたレールを乗り越えていきます。(高校生 香川県)

結果をすぐに求めなくていい、この言葉を聞いて気持ちが軽くなりました。家や学校で「将来の夢」を聞かれ、卒業したらどこに就職するのか考えて大学を決める。知らないこと、知りたいことが多すぎてそんなことを今聞かれても分からない。周りのみんなはやりたいことがあるのにどうして私にはないのだろう。私はこれからどうやって生きてゆけばよいのだろう。そんな悩みが単純に「自分の興味、関心があるからやってみよう」だけで良いのだとこのシンポジウムを通じて気づきました。教育がすぐに結果の出る研究ではないのと同じように、人の選択も選択する時には正解なんて分からない。正解なんて元々存在しないのかもしれない。分からないからこそ、条件や人の意見に左右されるのではなく自分の意思を尊重できる人間になりたいです。(高校生 群馬県)

今日の裁判方式の発表の仕方もユニークでとても面白かったし、発表の中で説明されていたこれから何が起こるかわからなくて臨機応変に情報に頼らず自分の力で解決する必要がある試練や状況に胸が躍りました。また、フルスピードのポルシェに乗るという普段、制限がありなかなか出来ない体験も試練の最後の味としてあるのがレールに沿わないこの革新的な教育とつながりがあり、とてもいいなと思いました。今のネットなどの情報があるからこその便利な社会で、あえて情報がない状態で様々な試練を行っていくことで情報がないことの不便さや、その情報を集める事の大変さを知ることが出来るし、学校の勉強や受験などのようなレールに、沿わない柔軟で多様な考え方や対応ができるようになった子供達がいるのを見てこのプロジェクトの凄さがよく伝わりました。(高校生 東京都)

LEARNプログラムについて、参加した子どもたち自身が感じたことを、自分の言葉で伝えていたことがよかった。共に参加した大人の話を聞けたこともよかった。簡単にいろいろなものが手に入ってしまう今の社会の中で、なかなか創出しにくい「感動が伴う生の学びの場」をLEARNプログラムでは提供している。「新しい学びの場」といいつつ、昔であればあたり前に、誰もが経験できたはずの学びなのかもしれないと感じた。そして今は、それをあえて創出しなければ経験できない社会になっているのだと感じた。安心や安全を盾に、大人が全て先回りしてお膳立てしてしまう教育では、子どもたちのもつ潜在的な力を奪ってしまう。学校教育に限らず、家庭教育、社会教育も含め、社会全体で今後の教育のあり方を問い直していく必要があると思った。(大学生 秋田県)

一人の大人として『純粋』にワクワクしました。教育の面白さ、学ぶ楽しさをこれからの人生の中で探究していきたいです。特に、登壇した学生の中で、LEARNを通じて「自信を持つことができた」と発言していたことが印象に残りました。自由な学び、社会と人とつながる学びを経験して、成長していく子どもたちは本当にすごいと思います。LEARNの子どもたちから学ぶことばかりでした。(教育関係者 神奈川県)

「いい」ってなんだろう、「いい子」ってなんだろうという問いに、一流の皆さまの「いい料理を作ろうと思ってもできない」「いい音楽を作ろうと思ってもできない」だけど、「いいもの」をたくさんみつけて感動できることが大切という話がとてもしっくりきました。実は日本は昔からとてもよい教育がされており、その成果が日本の産業を支えてきたのかもしれません。しかし、昨今あるようにグローバルな視点で、マネジメントがしっかりできる人材を育ててこなかった。その状況に日本も、労働者も、子どもたちも行き詰まりを覚えているのかもしれません。だから誰かが示す正解をもとめてしまったり、だれかの責任にしたりしている状況なのかと思います。「いい」を追求することをやめると、価値がでる、楽しみがでる…そのことをもっと子どもたちに体験させてあげたいなと思わされました。貴重な機会をありがとうございます。最後に、買えないですが…ポルシェが好きになっている自分がいました。不思議です。(教育関係者 長野県)

教科書に載っているものとは異なる現場の生きた知識”、”ネットに落ちていない地元の情報を紡いで得られるリアルな実情”、”知らない人に話す/頼む勇気”などを学んでいる様子が羨ましかった。検索して知った気になっている自分達が実際の現場に横たわる理不尽を知ったり、大人達にお膳立てしてもらわずに自ら何をすべきか判断し、行動して学ぶ過程は義務教育では経験できない、これからの教育に必要な内容だと思います。(企業関係者 東京都)

正しい教育もなければ、良い人間もない。このプロジェクトが彼らにどんな影響を与えるかは分からないし、今彼らが良かったと解釈していても何十年後にどう捉えられるかは分からない。それでも中邑さんが良いと思う体験をさせる、という姿勢に心打たれました。少なくとも、これからを生きる子どもたちにとって何が良いか皆で考えて意見を出し合うことがより良い未来を作るのかなと思いました。(行政関係者 東京都)

中邑先生を中心とし、大人側が提案した学びの場に一歩踏み出し、偶然から生まれる何かに出会い、変容していく子どもたちのリアルな審判が聞けて感動しました。それと同時に私自身の立場で「さぁこれからどうしようか」と思案したのも事実です。隣で聞いていた小6の娘は諸先輩方のメッセージに「めっちゃわかるなぁ」と。毎日「学校は面白くない」と叫ばれ、その怒りをエネルギーにしております。一人一人個性があって、成し遂げたい何かがある。その人にしかない気づきを待ち続けられるような「仕組みづくり」が少しでもできたらなとあらためて考えさせられた時間でした。(行政関係者 大阪府)

坂道を歩いているときには、この先に続く景色は見えない…ただ坂に向かって歩く足だけ。大切だと思ったのは、人生は先がみえない、わからないことだらけだという事…それを、learnを実際に経験した女子が教えてくれました。気候変動、格差社会、貧困…いろんなところで歪みが、見えているにも関わらず、やれ受験だ、将来安定だ、なんてつまらないことを気にしている大人の多いこと!!坂道を登っている間は気づかないかもしれない。けれども、坂にはいつかてっぺんがある。そこからみる風景はどう映るだろうか?中邑先生と歩んできた子ども達は、とっても素敵に育っていると思って聴いてました。これが、ニンゲンの成長と成功ですね。(保護者 千葉県)

笑いあり、涙あり、そして色々考えさせられました。子供に色々与えすぎて、手を貸しすぎて何もできなくなっていることは薄々気付いてるものの、今しか親として関わることもできないだろうという親業を全うしたい思いがありつい手を出し口を出してしまう。かわいい子には旅をさせろ、スマホを持たせず、無計画な旅に出したいですね。(保護者 東京都)

このシンポジウムが、Car Watchさんの記事に掲載されました。よろしければ、こちらよりご覧ください。

<本プログラムについて>
イベント概要および募集要項はこちらから
共催:東京大学先端科学技術研究センター・ポルシェジャパン株式会社