朝早く東京駅に集合し、新幹線で福島県へ向かった子どもたち。
港区を飛び出して、福島県二本松市の自然豊かな農園で、アルバイト体験に挑戦しました。
農園では福島の子どもたちも合流し、オリエンテーションの後、地元の方に教わりながら稲刈りや稲架掛け(はさがけ)などの作業に取り組みました。
昼食には、地元で収穫されたお米や野菜をいただきました。つきたてのお餅は特に人気で、子どもたちは何度もおかわりをするほど。屋外で食べる採れたてのごちそうに、みんな満足そうな表情を見せていました。
午後は、雨が降り出すなかビオトープへ出発。都会ではなかなか出会えない生き物たちに、最初は苦手意識を持っていた子も、次第に夢中になっていきました。
その後は野菜の収穫を体験し、アルバイト体験のプログラムは終了。働いた時間に応じて報酬として農作物を受け取りました。収穫したお米は、乾燥と精米を経て後日自宅へ届けられることが伝えられ、福島で出会った仲間たちとの別れを惜しみつつ、新幹線で帰路につきました。
一方、保護者の皆さんは事前にオンラインで開催された「子育て作戦会議」に参加しました。プログラムのオリエンテーションだけでなく、日々の悩みや家庭での工夫を共有し、子どもとの関わり方を見つめ直しました。「子どもたちをどう見守るか」「子どもたちのリアルな学びとは何か」といったテーマについて対話を深める、充実した時間となりました。
参加者
港区の小・中学生(小4~中2) 16名
子育て相談会参加の保護者 10名
プログラムの様子











— 参加者から寄せられた感想 —
※一部抜粋して掲載しています。
【子どもたちからの感想】
今回のプロジェクトでは、港区では体験できないことが沢山あり、特に稲刈りとはさがけが印象に残りました。私たちが普段食べているお米が農家の方達によって作られていることを実感し、これから食べるお米がより美味しく感じられそうです。また、作るのも収穫するのも大変なことがわかったので、残さずいただくことが大切だとより強く感じました。この事を妹弟にも伝えていこうと思います。(中2)
アルバイト体験は、鎌を使ったりしたので、うまくできるかとても心配でした。腰がいたくなったり稲の収穫は大変なところもあるけれど、農家の仕事が楽しかったので、将来農業をやってみてもいいなと思いました。私のおじいちゃんが、週末に農家の仕事をしているので、いつか私も連れて行ってもらいたいです。私は小学校では友達が少なく、あまり他の人との関係の輪を広げるタイプではなかったため、違う学年の友達が増えて良かったです。(小5)
僕は昔から生き物が好きなので、都会にはあまりいない生き物と触れ合えたことが楽しかったです。ニホンアマガエルやエゾアカガエル、オオカマキリ、ゲンゴロウなどと触れ合えました。カエルは素手で触るとぬるっとしていましたが、軍手でさわるとうまく掴めて、そういう質感の発見も楽しかっです。(小4)
【保護者からの感想】
農家さんの「食べてくれると嬉しい、お残しはダメ」という思いが印象的だったようで、帰宅後話してくれました。日頃から言い聞かせていることではあるのですが、実際に体験してみて腑に落ちたようです。(中1保護者)
子育て作戦会議@オンラインに参加させていただき、LEARN事務局の方々の思いや考え方、また保護者の方の気持ちがよくわかりました。生きていく力を身につけ、自立してほしいと改めて強く思いました。プログラム前は不安がたくさんのようで「もう行かない」と泣いていましたが、迎えに行くと、いい顔をしており、泣き叫びなど情緒不安定にならず久しぶりに静かな夜を迎えることができました。雨の中での農作業は辛くなく、「働くことは楽しかった。」と言っていました。雨でまた寒い1日だったのでもう行かない!と発狂するかと思っていたのですが、「また行きたい!!」と言っていました。(小5保護者)
プログラムから帰宅し、疲れていたと思いますがとても楽しそうに1日の様子を話す子供を見て、新しい発見のたくさんある時間になっただろうなと感じました。大人もそうですが、経験の積み重ねが大事だと思っています。その経験が、自分で考えを導き出す力になると思っています。けれど日々の生活の中で、子供に自由に選択させて学ばせる機会が少ないなと感じています。今回のような、大きくいつもと違う環境に身を置いて学ぶ機会を与えてくださり感謝いたします。(小4保護者)
<本プログラムについて>
プログラム概要および募集要項はこちらから
共催:港区教育委員会・東京大学先端科学技術研究センターLEARN
協力:農家民宿 遊雲の里