LEARN with NITORI 2021 @京都府 京都市
『對龍山荘プログラム 〜日本の建築・庭園・文化・歴史を考える2日間〜』
2021年12月11日〜12日

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活動報告

『   對龍山荘プログラム                                                         
〜日本の建築・庭園・文化・歴史を考える2日間〜 』
 2021年12月11日〜12日 @京都府 京都市

『對龍山荘プログラム           
 〜日本の建築・庭園・文化
            ・歴史を考える2日間〜』 

 2021年12月11日〜12日 @京都府 京都市

對龍山荘は、明治29~32年(1896~1899)にかけて伊集院兼常の別荘として建てられたものです。また、庭園は、伊集院兼常が作庭したものを基に七代目小川治兵衛(植治)が作り直しており、昭和63年(1988)には国の名勝に指定されています。
對龍山荘で日本の建築・庭園・文化・歴史を考える2日間。普段は非公開のこの庭園で、造園師・歴史研究者・日本料理研究者・音楽家たちと共に、語り合い見えてきたものはどんなものだったのでしょう。

— 参加者から寄せられた感想 —

※一部抜粋して掲載しています。

自然やそのままを大切にする引き算の美学
館長の建物の説明を聞いて自然をいかに魅せるかというこだわりが一番心に染みました。館長だけでなく庭師の加藤さんもそうです。【庭屋一如】という言葉通り昔の人が未来を想像して植えた木の一本一本を大切に大切に守り抜き、変わって行く景色の中でいつどこでだれが見ても美しく見えるように維持するのも大変だと思います。その中で滝の音を強調するこだわり。逆に音を消すこだわり。紅葉を周りの山とカモフラージュさせて広く見せるこだわり。でもいつも第一に植物を大切にしている所も感動します。そして土井さんの料理のお話しもとても面白く西欧諸国の人達との価値観の違いや料理と造園の共通点などたくさんの興味深い話を聞かせてもらいました。
二日目は朝から静かにいると、昨日は気付かなかった小鳥のさえずりや、鯉の呼吸など朝だから、静かだからこそ聞こえたり、見えたりするものがあることを学ばせてくれました。そして耳を澄ますと聞こえてくるヴァイオリンの音。水の音と調和して思わず寝そうになりました。そのあと近藤さんや友達と一緒に【4分33秒】を演奏してから近藤さんの話を聞いて、皆さんの話したことには自然やそのままを大切にする引き算の美学的なことを感じ取りました。とてもありがたい体験をできました。(中1 東京都)

変化を楽しむことによって乗り越えられる
印象に残ったことの一つは、土井さんのお話です。その中で、土井さんは「和食は1+1=2ではなく、1.5や3、1になることがある、でも僕はその変化が楽しい」おっしゃっていました。僕は、その考えは和食だけでなく実生活においてもこの事は言えるとおもいます。例えば、僕の趣味である山登りで、もし景色が変わらない所(変化のないただの山道)を登るだけだったらただの地獄です。その中で景色が変わるということによって楽しさを感じることができます。僕は今将来の今年不安を感じていますが「どのような人生になってもこの言葉のように変化を楽しむことによって乗り越えられる」と少し不安が減りました。(中1 兵庫県)

あの場所で過ごしたあの時間
4分33秒の演奏中に聞いた音や外にいたり中でぼーっとしていた時に聞いた音と同じ音は私は二度と聞けないし、あの時に私と全く同じ音を聞いた人はいないんだなと思った。同じ場所で同じことをしたのに聞こえ方も感じ方も人によって違うのが面白いと思った。
あの中は人工でも自然で、土井先生が言っていたように自然は流動的だからあの時に見た景色も聞いた音も同じものは次の日にも来年の同じ日にももうないんだと思うとあの場所で過ごしたあの時間はすごく濃いし贅沢だなと感じた。(高2 岐阜県)

ちょっと敷居が高かった日本文化が、グッと近づいたように感じます
過去と現在、近景と遠景、建物の中と外、陰と陽、赤松と黒松、水の音とバイオリンの音色、異なる物同士の融合。 五感を解放して一体となる円融無限。 目に見えないがそこに存在する、例えば水、空気、音、自然を恐れ敬う、日本人の信仰が料理などの文化にも影響している。日本の文化とは、なんて柔軟な広がりを見せるのでしょう。
帰りに京都の駅を見ましたが、モダンで前衛的なのに、黒が重厚で飾りの無さが洗練されていて、正に古きと新しきを融合した古都京都らしい佇まいに感嘆しました。今まで近いけれど遠くに感じ、ちょっと敷居が高かった日本文化が、グッと近づいたように感じます。(50代 東京都)

自然な生き方、在り方
今回のプログラムを通して、自然な生き方、在り方について改めて考えることができた。今回のプログラムの舞台である對龍山荘で、庭園とは離れたジャンルではあるが、土井善晴氏の余計な手を加えず素材そのものを最大限に活かす調理法の話は、日本人の自然観をよく表している例だと思った。
今回話を聞かせてくれた方々に共通している点は、ありのままの自然であることの大切さを説いているという点にあると思った。社会や組織が成熟する中で人は特定の価値観やルールによって統制され、時にそのレール上にうまく乗れない人々は傷つき人生に疲れてしまう。一方で、特定の物差しに合わせて生きようとするのではなく、無為自然に生きることで自分の良さを引き出せることもある。(40代 千葉県)

その子の力を信じてみること
皆さんの話を聞いて感じたのは、「奥行き」です。表面だけではわからないもの、奥行きが誰にでも、何にでもあるということ。思春期でもあり反抗期でもあり、場面に応じた障がいの開示についても息子本人なりに思うことが多いらしく、小6頃から、私は数歩、息子より引くことにしています。最初は、気になって気になって仕方がなくて、口を出したいのを我慢していました。口を出さずにずっと観察していると、少しの変化も感じるようになりました。お料理の話やお庭の話を聞いていて、思いました。子育ても、いろいろスパイスをいれて美味しくしようと手を尽くすのではなく、その子の力を信じてみること。日々の中で、ちょっとした変化を見せてくれると、すごく嬉しい事。そんなことを感じました。今回のプログラムは、いろいろな雑事で心ざわついていた時期だったので、とても気持ちが穏やかに、そして皆さんのお話が沁みるように入りました。また、気持ち新たに家族と向き合っていきたいです。(高1 保護者)