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活動報告

LEARN ONE
プログラム参加型スカラーシップ
『1週間の家出をしてアルバイト体験をする旅 2023』

2023年2月1日〜5日 @日本旅

将来に不安を感じ、悶々と暮らす子どもたち
未来に向かって歩き始めたいのだけど、誰かの後押しが欲しい子どもたち
親に申し訳ないなと思いながらも喧嘩ばかりして後悔する子どもたち

働き、お金を稼ぐ。大自然に身を包まれる。変化を求めて動き出してみる。
家を離れる旅に出て、見えたものはなんだろう?

— 参加者から寄せられた感想 —

※一部抜粋して掲載しています。

自分の人生を自分で生きている

北海道に行ってよかった。楽しかった。大変だったのは洗濯物をほすこと。みんなでご飯を一緒に食べたこと。疲れたし、気持ち悪くなった時もあったけど大じょうぶだった。楽しかった。雪をふんだ。汗をかいた。馬の鳴き声を聞いた。景色がきれいだった。海。風が強い。吹きとばされそう。新しい場所に行くといろんなことを感じられる。自分の人生を自分で生きている。自分の頭で考えている。その日のごはんをなににするか、何時にお風呂に入るか、何時に寝るか、服は何を切るか。全部自分で決めていい。北海道に行けてよかったです。(高1 東京都)

今まで抱えていた悩みが少し楽になった気がします

プログラムが終わった今は、今まで抱えていた悩みが少し楽になった気がします。駅員さんにどの電車に乗ればいいのかを質問したり、どのようにすれば薪を上手く割れるのかを試行錯誤したり、いろいろなことを初めてしました。どれも、スマホで検索をかければすぐに出てきてしまうことでしたが、自分で考えて解決することによって、その知識・経験は記憶に残るものになっています。(中略)また、やることがなかったのでいろいろなことを考えさせられて、スマホやパソコンなどの電子機器を使わずに過ごす時間も悪くないなと思うことができました。特に印象に残ったのは、仕事場の静けさです。雪が音を吸収するので、音を出さなければ都会にいるとなかなか感じないような静けさを感じることができました。東京にいると、大小はありますがほぼ24時間何らかの音が鳴っているので、雪の中の静けさでどこかリセットされたような、スッキリした感覚を得られました。(中2 東京都)

現状を変えたいという思いからプログラムに参加した

私がこのプログラムに応募しようと考えたのは、自分がいくら他人より多くの苦手なことがあろうと、いつか社会に出なければいけないのは誰だって一緒なので一度社会に触れてみたい、うまくいかないコミニュケーションの場から離れて違う環境で自分に適した社交法を模索したい、新しい経験をしてみたい、頭を冷やしたいなどなど、現状を変えたいという思いからでした。(中略)3日目から始まったアルバイトでは、それまで家出仲間だった人たちと協力しながら全力で体を動かし働きました。いつぶりだろうと思えるくらいに純粋に目の前のことに没頭し、大量の汗をかき、夜はぐっすりと眠れました。こんなにも精神的なストレスを感じない環境があるのか、と驚くくらい心が軽かったことも印象に残っています。他人と緊張せずに言葉を交わすこともできました。合間の休憩時間に飲ませてもらったキャラメルラテや聞かせてもらった山奥ならではの小噺は忘れることができません。最終日には仲間とともに少しずつ割って積んでいた薪で薪小屋を埋めるに至り、過去一といっていいほどの達成感を感じました。(中2 千葉県)

自分の手でやってみることに必要な学びがある

学校の道徳で、「働くは傍楽が由来」だと聞いた。傍楽は、傍を楽にするということ。働くと稼ぐは別物なのだと考えた。傍を楽にした時、金を払うかどうかは雇い主が決めることであり、別に時間と金を交換しなくてもいい。その一例はボランティアだろう。傍を楽にしたいが、交換は別にいらない。逆に稼ぐ場合、交換するために、金を得るために結果的に傍を楽にするということになる。働くと稼ぐは全くの別物であって何が目的なのかによって違う、と僕は考えた。今回僕がしたのはあくまで体験だ。本当の “働く”ではなかっただろう。雇い主さんを楽にしたいという思いが根底にあったわけでもなく、働くという体験をしたいという自分本位の考えで応募した。しかし“稼ぐ”でも“働く”でもどちらでもないこの体験が、これからの稼ぐや働くに繋がることは確かだ。(中略)また常々「パンツを洗え」と言われ続けてきた。そしてこの旅で実際に毎日洗ったのだが、まさに生活が出来るということと繋がっている。今は洗濯機に放り込めば自動で洗ってくれる。しかし、この手で洗って乾かすことで、気づけることは山ほどあると実感した。生活を続けていくために必要なことを中邑先生は教えてくれる。「体験は大事だ」と言っていたし、「知識は大事だ」とも言っていた。ブラックボックスになっている部分を知るということ、そしてその中で処理されている諸々を実際に自分の手でやってみるということ、そこに僕にとって必要な学びがたくさんあるのだと思った。(中2 埼玉県)

— 保護者から寄せられた感想 —

※一部抜粋して掲載しています。

「自分で考えて行動する」ことをたくさん引き出してもらった

まず本人から「行きたい!」と積極的に応募。参加前、とても楽しみにしている様子。帰宅後は「楽しかった」というより「とても良い経験だった」という言葉と晴れ晴れした表情が印象的でした。応募~参加最終日まで「積極性」「自分で考えて行動する」このような面をたくさん引き出してもらったように思います。また、「半端ない帯広の寒さ」「自分の住む東京とは違う牧場での常識の数々」表現豊かに語ってくれました。見るもの触るものや聞く話がとても新鮮だったようです。経験したことのない極寒の環境で全身を使って労働した事も普通には味わう事のできないかけがえのない時間で、決して家庭では経験できない素晴らしい体験の連続だったと想像します。参加させて頂き本当にありがとうございました。慣れぬ環境の中、困難やストレスも多かったと想像しますが、弱音を吐かず体調も崩さず「最後までやりきる」事ができ、娘の今後の「自信」に繋がる経験だったと思います。これからは娘を信じてさらなる自立を支えてゆきたいと思うようになりました。(高1保護者 東京都)

出来る力を本人も経験し、親もその力を信じる事が出来た

こちらのプログラムに自分で申し込み、参加できると決まってからの本人のワクワク感を感じながらも、私の方が過保護にも朝起きれるか、電車に1人で乗り無事に到着するかを心配してしまいました。しかし心配をよそに、1人で出発し帰宅して参りました。親から解放されると出来なかった事も出来ることが実証された思いです。親の方も頭では理解していても何事にも手助けし過ぎてしまう事が子どもの能力を発揮出来なくさせていることがつくづくわかりました。極寒の中、初めての方々との旅を自分で選んで楽しんだ息子を今までで1番頼もしく感じました。今回の旅で貴重な経験をし、やれば何でも出来るはずと思うのですが、親がいると甘える事も多いようです。出来る事を信じて放っておけばいいと思うようになりましたが、お互いにそう簡単には変わらないのが現状です。しかし出来る力を本人も経験し、親もその力を信じる事が出来たので根底では思いがかなり変化したのではないかと思います。(中2保護者 東京都)

頑張ってるんだなという姿が見えるようになりました

緊張半分、楽しみ半分の様子で出掛けていきました。帰って来た時は、玄関でゴールテープを切ったようなガッツポーズをしたので、私と弟で思わず拍手で迎えました(笑)。寝坊して働く時間が少なくなってしまったことを「俺は金が欲しかったんじゃない、もっと働きたかったんだよ!」と叫んでいました。(中略)保護者の座談会でも「向き合い方を変えていってください」というようなお話があったので、どんなふうに変えるのがいいのかな…と考えていました。旅の興奮が収まって日常モードになってくると、さっそくいつも通り親子喧嘩しました(-_-;)本人も変わってないし私も変わってませんでした。でも少し引いて見ると、全部ではないにせよある程度のことは自分はやって、家の外では頑張ってるんだなという姿が見えるようになりました。自分で人生の師になるような人を見つけて憧れが持てているなら、それはすごく有り難いことだなと思います。これからの成長段階で長男との心理的な距離は縮まることはもうないと思うので、親としてはうまく離れていきつつ、今の家がホッとできる場所ではありつづけるように、本人の変化を気をつけて見ながら、できる限り環境調整は工夫していこうと思います。(中2保護者 埼玉県)

子どもの気持ちが動き始めた 

プログラム参加後、「他のプログラムに参加してみようかな」と子ども自身が話していて、動きだすエネルギーが子ども自身にたまっている感じがしています(学校生活でエネルギーはすぐに枯渇するかもしれませんが)。このような機会に恵まれたこと、保護者自身もとても嬉しく感じております。子どもが中学2年になり、子ども自身の悩みも出てきているようでしたが、親子関係もとても迷走してきていました。親子が離れて一度親子の関係を俯瞰してみる必要性を感じていました。かといって、気軽に旅に出させる先の親族等もおらず、外に出そうとしても年齢的に本人の気持ちが動く内容でなくては親子関係をさらにこじらせるだけです。このような状況でしたので、保護者としても子どもの気持ちが動いた今回のプログラムに参加させてもらいとてもありがたく感じております。(中略)今回、マイペースで忘れ物の多いこどもが、想像どおり、いろいろと事務局の方のお世話になりました。そのたびに事務局の方が、温かくかつ保護者に頼らずやってみようというメッセージを、子どもに直接発してくれている様子を感じ、私自身が頼れる大人の存在に気づけたことが収穫でした。(中2保護者 千葉県)

<本プログラムについて>
プログラム概要および募集要項はこちらから

主催:東京大学先端科学技術研究センター