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活動報告

若者向けプログラム『對龍山荘プログラム 〜日本庭園の秘密に迫る〜』
保護者向けプログラム『對龍山荘プログラム 〜沈黙を通して学ぶ子育て〜』

2023年10月7日 @京都府 京都市

【報告動画 Coming soon】

100年もの時の流れを見守ってきた日本庭園で、沈黙の時を過ごす。
静かに目を閉じ、耳を澄ませる。
何が観えるだろう。何が聞こえるだろう。
若者たちは、100年の時に、庭園と共にあった人々に、思いを馳せる。
大人たちは、普段の子育てを、穏やかに、ゆっくりと振り返る。

— 参加者から寄せられた感想 —

※一部抜粋して掲載しています。

<若者向けプログラム参加者より>
僕は今までにいくつかの日本庭園を見てきましたが、あれほどの自然の中にあり、見てきた中でも比較的小さな土地の中で日本庭園を作れるというのがすごいなと思いました。庭師の人に聞いてみると手前側の樹木は、背丈が低く奥に行くにつれて背丈が高くなる庭の作り方をすると庭園が広く見えることや、隣の敷地にある木や山とうまく同化させて広く見させたり、あえて縁側の下に小さな滝を作ってその音であたかも奥にある滝がとても大きいように見せるなどといった工夫が一つの庭の詰まっているということを知ってすごいと思いました。あと45分間何もしゃべらないと、滝の音や木の揺れる音などを楽しむことが出来ました。日本庭園は水が欠かせないということも知ったし、滝の音の方が自動車や人の声よりも大きかったのにうるさいなんて全く感じませんでした。そのときは、自動車の音や人の声などがあまり聞こえませんでしたが、滝を止めてみると自動車の音や人の声がきこえてきてうるさいと思いました。後で聞いてみると自動車の音や人の声はノイズというもので、そのノイズというものを聞こえにくくするにはホワイトノイズというものを流すと聞こえにくくなるらしく、ノイズは大きくなると人の嫌がるものだがホワイトノイズは大きくしてもそこまで気にならないということも教えてくれたので理解できました。建物の下が清水寺の舞台の様に木の枠組みみたいになっていてかっこよかったです、色々な美術品も見られてとてもいい経験になりました。(小5 東京都)

沈黙の時は、ずっと同じ場所にいました。同じ場所にいると、目と脳が、勝手に新しいものを新しい情報を探してました。その事に気づいても、人が来たり、風が吹いて木々が揺れたりすると、目が動いていました。ずっと同じところを見つめるのがこんなにも難しいことなのだと初めて知りました。日本庭園を歩いているときも庭師さんが教えてくれる新しいことや、初めて見る風景などを見ていると、これが私にとってのものすごい情報なんだな。と思いました。もう一つ、感じたことは、森や、山などを見ていると、木々一本一本を見ているのでは、なくて「森」として、まとめて見ていて、日本庭園は、木や、苔その他の植物や生き物を一本一本一匹一匹見ていることに、気が付きました。沢山の新しいことを見つけられてとても楽しかったです。(中1 千葉県)

私は今まで日本庭園は人工的だと思っていたのですが、今回のプログラムを通して日本庭園とは、自然と調和し、30年後の未来にもその姿を残していくものであると感じました。日本庭園を無言で1時間過ごした際には、せせらぎや葉擦れなどの音が聞こえてきて全ての音に無駄が無く、完璧に感じました。また、私は緊張しやすいのですが、今回のプログラムではあまり緊張せず参加でき、多くのことを学ぶことができました。(高1 大阪府)

お庭をまわる時、自分の中の最大の「素敵」で溢れていて泣きそうだった。少し泣いていた。こんなにも鮮やかな景色や音や匂いがあるんだと、前までの私が見えていたものがまた見えてきた。大好きな光がいっぱいあった。(大1 神奈川県)

お庭は「ちいさな地球」でもあるということがとても印象的でした。自分自身の中にある感覚を研ぎ澄ませて「感じる」「考える」沈黙の時間は、なんだかすこし心が軽くなって自分のペースで歩んでいいと思い出せたような気がします。(22歳 京都府)

<保護者向けプログラム参加者より>
特に心に残ったことは、2つあります。1つ目は、私個人としては、素晴らしい環境の中でたくさんの保護者の方々や先生と子育てについて話す時間や懇談の時間をいただいたことで、大きな安心に包まれたことです。さらに、その後、1人で沈黙の中で過ごす時間もいただき、その両方の時間があったことで、自分のいろいろな気持ちに気づいたり、整理することができました。2つ目は、保護者としては、普段文化財や庭園などの説明を伺うような場面では、参加メンバーによっては、娘の感覚過敏の症状が出てぐったりしてしまうため、参加を諦めることが多いのですが、今回のプログラムでは娘が自分でうまくコントロールして、自分の意志で最後まで参加できたことです。大変成長を感じました。娘はマイクを使ったお話が苦手だったり、突然体当たりされそうになる度にビクッとして苦しくなったり、具合が悪くなってしまうので、正直今回も難しいかなと心配しながら見守っておりまさかたが、魅力的なプログラムへの熱い気持ちからか、他の参加者の方々が見本を示してくださったからなのか、娘なりにうまく距離を取れたり、自分が整うまで自由に庭を歩いたり、ただずんだりしたようです。うまく自分をコントロールし、自分のご機嫌をとれていたように思いました。母子では苦手な刺激は回避するしかなかったので、このプログラムへの参加グループでの学びの機会となり、大変ありがたく思いました。(小5保護者 滋賀県)

日常のあまり注目しないことにじっと向き合い、見たり聞いたり感じたりすることが初めてでした。学校はもちろんのこと、子育てでも何かをさせることばかりしてきた自負があったので、意味のある時間が過ごせました。これからの人生に残る経験になったと思います。(高1保護者 京都府)

建築物や庭園を見ることで、時代を超えてそれらの方々と繋がり合うことが出来る様な不思議な感覚、幸せな時間でした。また45分間の時間の中で自分にとって心落ち着く場所で過ごすという何とも贅沢な時間をいただきました。特に子育て中は常に何かをしながら先々の何かを考える、ゆっくりと立ち止まり振り返る時間も持てずに何かに追われる日々です。その様な中から少し解放され、私は改めて幼少期のことを思い起こしていました。小さい頃、私は祖父母と同居しており、庭園のある日本家屋の中で育ちました。いつまでも空や庭の植物を眺めていた、時々、縁側の陽だまりの中でうたた寝しながら時間などを気にせずに生きていた日々。思い返せばその様なゆったりとした時間が今の私を育て、自らを支えている様にも思います。同時に我が子達にも同じ様な時間を持たせてあげられているか、私は知らず知らずに子供達から自由を奪い、縛ってしまっているのではないかとの反省もさせられました。この度、多感な時期に入った息子を京都の素晴らしい文化財に触れさせてあげることが出来たことは本当に良かったと思います。貴重な機会を与えて下さりありがとうございました、心より感謝いたします。また機会があれば参加させていただけたらと思います。(小5保護者 東京都)

非日常な場所でゆったりとした時間を過ごせたことはとても貴重な経験だったと思います。一緒に参加した息子は庭園や建築物に興味がないと思っていましたが、いろいろな疑問や知りたいことが溢れてきてそれをどんどん質問していて、意外な面を見ることが出来ました。単に、私が勝手に興味がないと決めつけていただけなのかもしれません。庭園や歴史的建築物の保存や維持がいかに難しいかを目の当たりにし、次の世代へと引き継いでいくにはどうすればいいのかを私たち大人が真剣に考えなければいけないのだと思いました。またこのような機会があれば参加したいと思いました。(高1保護者 京都府)

<本プログラムについて>
プログラム概要および募集要項はこちらから
『對龍山荘プログラム 〜日本庭園の秘密に迫る〜』
『對龍山荘プログラム 〜沈黙を通して学ぶ子育て〜』

共催:東京大学先端科学技術研究センター・(株)ニトリホールディングス