夏休みの暑い日、東大先端研に集まった世田谷区の子どもたち。
グループごとにお菓子を買ってくるというミッションに挑戦しました。
電車に乗って、駅で降り、店を訪ね、人と出会い、話を聞く。
いつもはICカードで通る改札も、今日は切符を買って電車に乗ります。
切符の買い方がわからなくて、駅員さんに尋ねたり、
交番でお店の場所を聞いたり、道ゆく人にドキドキしながら声をかけてみたり。
先端研に帰ってきた後は、それぞれのグループの大冒険をシェアする発表会。
最後は、自分たちが買ってきたお菓子を交換しました。
保護者の方々は、「子育て作戦会議」に参加。
子育ての専門家や他の保護者の方との対話を通して、
普段とは少し違った視点からお子さんのことを見つめ直す時間となりました。
また世田谷区の小・中学校から教員ボランティアを募り、子どもプログラムのサポートをしていただきました。
参加者
世田谷区在住または世田谷区立小・中学校に在学の小学4年生~中学2年生 28名
保護者 20名
教員ボランティア 23名
— 参加者から寄せられた感想 —
※一部抜粋して掲載しています。
<子どもたちからの感想>
乗り過ごした時が冒険っぽくて面白かった。(小4)
試食がとっても美味しかった。何人もの大人に質問したけど、皆んな優しかった。2時間も遅れて、お弁当が恐ろしく美味しかった(小4)
ミッションの場所の地図がなく、高確率で、その地元の人に聞くということが結構難易度が高かった。(小6)
目的のお菓子に辿り着くまで切符を使って行く。道がわからなかったら地図を探して見る、聞く。普段はICカードを使っているため、今回の体験がとても新鮮でした。いつも生活している中で「京王井の頭線」「田園都市線」「大手町線」を使っていないので、乗り換えに苦戦しました。また、駅からお菓子を売っているお店までも遠く、予想以上に時間を使ってしまいました。なかなか大変なミッションで、ミッションを達成できるか不安だったけれど、2人で力を合わせて達成できてよかったです。初めは達成することに注目しすぎていました。けれど、知らない土地で自分で切符を買って、困ったら人を頼って__。ミッションを達成する事だけではなく、そこまでの過程も大切であることを実感する事ができました。電車に乗っている間や、歩いている間に自分が好きなことや、部活のことなど、移動時間も楽しく過ごすことができました。本部を出発した時間は10時30分。本部に戻らなければいけない時間は12時30分。2時間で買って帰らなければいけない……しかし、出発した時は「どれくらいの時間がかかるのか。」なんて考えていませんでした。「2時間もあれば楽勝」という考えは間違っていたと、今回の体験で学べました。今回の「LEARN」プロジェクトはとても学びが多かったです。次回もあるのならば、ぜひ参加したいです。ありがとうございました!!(中1)
<保護者からの感想>
楽しかった!また行きたい!と、楽しそうに色々話してくれました。ウルトラマンがキャラクターとすぐ分かったものの、2人の人に聞いてもお店が分からず、最後は自分が勇気を出して花屋さんに質問できたと誇らしげに話してくれました。出発前、お借りしたスマホ(憧れの物)を一心不乱にイジっている姿も印象的でした。とても貴重な体験をさせていただき、ありがとうございました。(小4保護者・母/子育て作戦会議参加)
念願のラーンイベントに初参加でした!!赤松先生のお人柄とお力に感動する時間となりました!!色々な問題を、アカデミックに 解説される赤松先生にこれからも是非ご指導いただきたい気持ちになりました!!!時間の関係で、娘のことしか 発表できませんでしたが、息子の困り事(内弁慶、他害、集団が苦手、ゲーム依存など)についても一度ご相談させていただきたいくらいです。参加できるか不安だった娘も、本日1日 フルに参加することができ、とてもやり遂げた表情になっていました!また マイクを使って人前で発表するということも堂々とでき、親子ともども大変貴重な経験をさせていただくことができました。本当に本当にありがとうございます!!!是非 引き続き 世田谷区で行われる次回のイベントも楽しみにしています!!(小5保護者・母/子育て作戦会議参加)
前日から「発表がいやだな」「うまくできるかな」と何度も口にし緊張していましたが、体験後には積極的に発言をしていました。尋ねると、伝えたいことがあったから、発表したんだよと満足な顔をしていました。とても楽しく、また参加したいと言っていました。本当に良い機会を与えてくださり、ありがとうございます。(小6保護者・母/子育て作戦会議参加)
自分が最年長かもしれないと少し気にしていましたが、とても楽しかったようです。普段はあまり前に出たがらないので、発表会の時に真っ先に手を挙げたのに驚きました。お金が足りず、命のお金を使ってしまった原因も理解していたり、人に聞かこともできたと聞いて『ミッションはそんなに大変じゃなかった?』と聞いたところ、『大変だった!切符買えなくて困った』と言っておりました。是非また家出プログラムなど、参加できたらしたいと申しておりました。(中2保護者・母/子育て作戦会議参加)
<教員ボランティアからの感想>
子どもたちが試行錯誤しながら課題を解決していく姿に逞しさを感じ、印象的でした。学ぶとは何なのか、改めて考えさせられました。思わず手や口を出してしまいそうな場面が多くありましたが、それも最後には笑って見守ることができました。私自身、楽しく参加することができました。今後も同じような活動があれば、他の教員にもお勧めしたいと思います。
生徒の探究にじっくり寄り添える、学びと気付きの多い1日になりました。普段の学校生活ではまだまだ手放せていない状態であったことも実感でき、今後どのように生徒に寄り添い伴走していけばよいか、改めて考える契機となりました。
子どもたち自身が、自分の知恵を振り絞って考え、やってみるという過程を一緒に体験でき、とても学びになりました。切符の買い方ひとつでも、どうしたらいいんだろうという所から始まり、なんか上をみたらよさそう、このボタンにしたらいいかも、子供だから子供料金だ!といった様々な気づきから、生きる力が身についていくんだと実感しました。お金の使い方、質問する際の訪ね方、人とのコミュニケーションの仕方など、色々な手立てがあるからこそ、成り立つものだと感じました。 今日の経験は、きっと子どもの中でも大きな自信に繋がったと思いました。自分の力だけで何かを成し遂げるということは、学校教育の中でなかなか経験できるものでは無いと考えます。常に周りには助けてくれる親や先生がいる環境がある中で、今回のように街に出て、分からない、どうしようと試行錯誤していくことで、自然とコミュニケーション能力が身につくと思いました。この経験を繰り返すことでまた、次のステップに繋がると考えます。
我々、大人が思い描いていることが正解ではないことを改めて学びました。路線であったり、領収書をもらい忘れた際の行動であったり、こうすれば早いのにな、こうすれば安く行けるのにな、と思ってしまうことばかりでしたが、子どもたちは自分たちの経験から得た知恵を使って考え、相談し合い、行動する。周り道した分、人と多く関わり、周り道した分、友達と議論をする。これこそが、世田谷区が目指している非認知能力の育成なのだと強く思いました。私たち教員は、どうしても時間軸の中で生きています。一単位時間45分間ないしは50分間の中で指導すべき内容を指導することに追われているのかもしれません。 学校でも私が専門としている生活科もしくは総合的な学習の時間を中心に、教科横断的にLEARNに取り組む。学校経営が安定している学校は、実践可能だと思いますし、若手教員が多い昨今、身を乗り出して研究したい内容だと感じました。 私も研究してみたいです。
<本プログラムについて>
プログラム概要および募集要項はこちらから
共催:東京大学先端科学技術研究センター LEARN、世田谷区教育委員会